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目の下のくま取り
「経結膜脱脂術」(目の下のくま取り)に関して、今までもこのブログで
何度もお話してきました。
今回は「くま」について、詳しいお話をしましょう。
「くま」は目の下の色のことを言いますが、語源は歌舞伎役者が目の周りに
赤や黒の色を付ける化粧の「隈取」(くまどり)に由来している、と
言われています。
原因によって大きく3つに分けられます。
一つは色素沈着です。「茶くま」などと呼ばれ、紫外線によるダメージや
乾燥や摩擦などによるダメージで色素沈着を起こします。
ドライアイやアレルギー(花粉症など)を持つ方に現れやすいです。
もう一つは血行不良による「くま」です。「青くま」などと呼ばれています。
目の下は皮膚が薄いため、疲れや睡眠不足などによって、目の下の静脈血
(皮膚を通して見ると青黒く見えます)がうっ滞して、青黒く見えるものです。
三つ目は目の下の皮膚の膨らみによる「くま」です。目の下の眼窩脂肪が溜って
目の下が膨らむと、その膨らみの下が影になり「くま」と同じような状態に
見えます。
上記二つの色素性の「くま」とは異なります。
当院も含めて、美容外科の広告で(目の下のくま取り)と表示されている「くま」
とは、この眼窩脂肪の膨らみによる「くま」です。
いわゆる色素性の「くま」には適応になりません。
色素性の「くま」と脂肪による膨らみが両方ある場合、色素性の「くま」の色が
膨らみの下の影と重なって、余計濃い「くま」の色になってしまいます。
この場合は、経結膜脱脂術(目の下のくま取り)によって、かなり目立たなく
させることが可能です。
また、目の下の膨らみが目立たなくても、かなりの量の脂肪が取れてスッキリ
する場合もあります。
上の写真は経結膜脱脂術の術前、術後ですが、一見目の下の膨らみは顕著では
ないように見えます。写真では分かりにくいですが、この方は色素性の「くま」
ではなく、目の下が微妙に膨らんでいるせいで「くま」っぽく見える症例です。
案の定、実際の手術では大量の脂肪が取れました。
次の写真も目の下の膨らみ自体は少ない方の術前、術後です。
この方は色素性の「くま」があるのですが、脂肪による膨らみもあるため、
「くま」が強調されて見える典型的な症例です。
やはり脂肪は大量に取れ、色素は残っていますが、「くま」としては
目立たなくなっています。
これらの症例のように、大きな膨らみが無くても、意外なほど脂肪が取れて
「くま」が目立たなくなる場合もあるのです。
加齢によるタルミに対しても、同じことが言えます。
2009年7月9日のブログをご参照下さい。
自分は脂肪ではなく色素性の「くま」だから、加齢によるタルミだから、
とあきらめていませんか?
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