隆鼻術はプロテーゼが一番 (画像あり)
隆鼻術は鼻の皮下に材料を入れて鼻筋を高くする手術ですが、大きく分けて
プロテーゼという人工の軟骨を入れる手術と、自家組織(主に耳介軟骨)を
入れる手術とに分けられます。
皮下にヒアルロン酸を注入して鼻筋を通す方法がありますが、効果の持続期間が
限られているので、今回はプロテーゼと耳介軟骨に絞ってお話しします。
鼻筋を通して鼻を高くする場合は、絶対にプロテーゼによる隆鼻術がお勧めです。
上の写真は20代女性のL型プロテーゼによる隆鼻術の術前と術後です。
鼻根部から鼻先までしっかり鼻筋が通っていますし、仕上がりも自然です。
プロテーゼの利点は、鼻の高さや形を自由自在に調整することが可能である事です。
そして、元の鼻に戻したい、と希望された場合、完全に抜去することが可能です。
もちろんこの事はI型プロテーゼも同じです。
上の写真は同じ方の斜め横から見た隆鼻術の術前と術後です。
この角度ですと、特に鼻根部(目と目の間)の鼻筋の変化がわかりやすいと思います。
もっと詳しい話、他の症例写真をご覧になりたい方はこちらから。
これに対して自家組織(軟骨など)は形が決まっているので、自由自在に鼻の高さや
形を調整することが出来ません。
軟骨の採取部位としては耳の軟骨が最も多いです。
耳介軟骨は厚さが1ミリ程度なので、鼻全体を高くする目的には使用できません。
最も多い使われかたとしては、I型プロテーゼの隆鼻術の際、鼻先だけは
耳介軟骨を入れる方法です。
上図のように耳から軟骨を採取して、その軟骨をいくつかに切り分けて
団子状に一塊にして糸で縛ります。
この塊を鼻先に入れるのです。
自家組織なので、入れた後は皮下組織に癒着して完全に取り除くことは出来ません。
また、当然ながら耳と鼻の2か所の手術になるので、患者さんへの負担も
大きくなります。
I型プロテーゼ+耳介軟骨移植術よりも、私ならL型プロテーゼによる隆鼻術を
お勧めします。鼻の1か所の手術で済みますし、費用も断然割安になります。
何よりもリスクが少ないですし、仕上がりも自然で綺麗になりやすいです。
ネット上では「L型プロテーゼは危険」という根拠のない情報が拡散してしまって、
L型プロテーゼを扱える医師も少なくなりました。
残念なことです。
安全性はI型プロテーゼもL型プロテーゼも同じです。
軟骨を入れる手術よりも、むしろリスクは少ないです。