横浜で働く美容外科院長の美容整形ここだけの話

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横浜美容クリニック院長 白井邦雄が、美容整形の症例のご紹介や解説、美容整形に関する話題、日々の出来事などをお届けするブログです。

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  • その他・雑記
2010.09.17

大腸がん、闘病日誌3

昔は術後は絶対安静で、トイレに行くことさえ許されませんでした。
無理に動いてしまうと、傷が開いて大変なことになるのでは、と錯覚
していたくらいです。

今は出来るだけ早く動いて、早く身体を回復させよう、という早期離床が
外科の術後ケアの常識になっています。
アメリカはこの早期離床がもっと過激で、手術当夜から歩行開始、水分開始、
翌日より食事開始、術後3~4日で退院、というハードスケジュールです。
(消化管手術の場合ですが)

看護師さんから、さー動け、やれ動け、と言われているので、何とか
起き上がってベッドの横に脚を下ろそうとするのですが、痛みで思うように
身体が動きません。
だって、12時間前に手術が終わったばかりですよ。
もう少しで脚を下ろしてベッドに座れる、という直前で痛みで息が苦しくなり
挫けてしまいました。
これでも、持続硬膜外麻酔の痛み止めが効いている状態ですから、
痛み止めが無かったら、と思うとぞっとします。

もう一つ大変なのが、ストーマ(人工肛門)の扱いです。

おへそのすぐ右隣に直径約3センチほどの穴が開いていて、そこから大きな
梅干のように見える回腸(小腸)が顔を出しています。
(本当に梅干そっくりです)
そこにパウチ(便を収容する袋)が貼り付いていて、定期的に袋に溜まった
便(といっても水状に近いものですが)を廃棄しなければなりません。

パウチには粘着テープが付いていて、人工肛門の周りの皮膚に直接貼り
付けます。

 

大腸がん、闘病日誌3大腸がん、闘病日誌3

 

赤い部分が梅干君(人工肛門)です  お世話になったパウチ君です。

この時、出来るだけパウチの穴と人工肛門との間に隙間を作らない
ようにするのがコツです。
パウチの穴と人工肛門の間の隙間が大きいと、隙間の皮膚に便が付着して
皮膚がただれます。
梅干(人工肛門)も日にちの経過とともに小さくなってくるので、
梅干の大きさにパウチの穴の大きさを合わせなければなりません。

どんなの上手にパウチを貼っても、2~3日が限界です。
皮膚がただれてくるので、パウチそのものを2~3日に1回、新しいものに
貼り変えなければなりません。
ただれている皮膚から、パウチをはがす時に、イテテテ・・・
思わず声が出てしまいます。
このパウチをぶら下げて歩くと、ただれた皮膚が引っ張られて、
何とも言えない痛みがあり、つい背中を丸めて歩いてしまいます。
一時的といえども、この状態がしばらく続くと思うと、ちょっとへこみます。

術後2日目より食事(といってもドロドロの流動食ですが)が可能になり
順調に行けば1週間~10日で退院のはずでした。
しかし、傷の一部で皮下膿瘍(化膿してしまった)が出来、薬剤性肝障害まで
起こしてしまい、退院できたのは3週間後でした。
3週間はさすがに長いです。

この間、普段は明るい私でも憂鬱になりがちでしたが、当院の開院当初から
いらして下さる患者さんから、お見舞いの花束が届いた時は、涙が出るほど
うれしく、また、励まされる思いでした。

傷の化膿も沈静化して、肝機能障害も治って、ようやく退院の日を迎える
ことが出来ました。
体重を測ってみてびっくり! 何と15Kgもやせてしまいました。
・・・結構うれしかったりして・・・

6月には、人工肛門を閉鎖して、元に戻す手術が控えています。

闘病日誌4に続く

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